2020年ニューイヤーコーヒー~ラオスから届いた希少ティピカ

新年明けましておめでとうございます。本年も何卒宜しくお願い致します。

本年は令和2年、そして2020年というオリンピックが開催される特別な年になりそうですね。

本年最初の月限定コーヒーはラオスから、希少なティピカ種のコーヒーが届きました。

栽培が難しく、流通量自体が大変少ないティピカ種。

ラオスボラベン高原の小農家が、丁寧に育て、ハンドピックした完熟チェリーを水洗で精選し、アフリカンベッドで自然乾燥させたコーヒーです。

豆の入った袋を開けた瞬間、個性のある香りが溢れてきました。

その味はふくよかなコクがあり

口の中で転がすと、ナッツの触感の中に柔らかい酸味がじんわり拡がります。

バランスよくまろやかだけど、しっかりと味わいのあって実に美味しい

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★★

焙煎 ★★☆

ドミニカの100年ファミリー~手から手へと受け継がれるコーヒー

12月のコーヒーはドミニカ共和国から「ドミニカ ミゲル・テハダ 」です。

カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島、それが「ドミニカ共和国」です。面積は九州列島と同じサイズの小さな国です。

この島にコーヒーが訪れたのは18世紀初頭にさかのぼります。

今回のコーヒー豆の生産者である「テハダファミリー」は既に100年もコーヒー農園経営の歴史があります。

代表のミゲルさんは、コーヒーの木とチェリーに囲まれて育ち、現在は息子のメルビンさん、妻のローサさんとともに、伝統的なコーヒー栽培を続けています。

100年の年月を超えて、手から手へと受け継がれるコーヒー

彼らの作り出すコーヒーはINDOCAFE主催のコンペで何度も上位入賞しており、名実ともにトップのコーヒー農園です。

マイルドで優しい口当たりです。

じんわりと広がる旨味を転がして

残香には青草のフレーバー

ファミリーの丁寧な手仕事に想像を膨らませて

—-風味バランス—-

苦味 ★ ☆ ☆

酸味 ★ ☆ ☆

コク ★ ★ ☆

焙煎 ★ ☆ ☆

ボリビアのマリア~古来原種ティピカを残し育む

11月のコーヒーはボリビアから「ベジャビスタ農園ティピカ 」です。

ベジャビスタ農園は森林保護区、1700mの標高にて栽培されています。

ティピカというのはコーヒーの品種ですが、中南米のコーヒーの起源でもあります。古くからある原種であり、元々はイエメンから渡ってきたと言われています。

様々な交配種が種類になる中でティピカは単一種ゆえに病気などには弱く、栽培は難しいため、ティピカのコーヒー自体が貴重となっています。

農園主のマリアさん。ティピカを守り、育てる。

濡れた木々の香り伸びやかに口当たりインプレッションは柔らかく

酸味が舌先から始まり 甘味に変わり 最後は深みに

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★ ☆

コク ★★☆

焙煎 ★ ☆ ☆

タイコーヒー ブルームーン 月光のパワーをカップに

9月のコーヒーはタイから「ブルームーン」です。

タイのコーヒーは実に4年ぶりで、とても楽しみですね。

タイのチェンライという山岳エリアで収穫されました。

コーヒーチェリーが熟した赤と黄色の完熟果実を厳選してブレンド。

ブッダが一晩泊まったとされる、月光の光の柱が水面に浮かぶ泉

現地のパワースポットの水を精選(ウォッシュド)に使っています。

口に含んだ瞬間ビビットな酸味が鼻まで一気に通り抜けます。

さわやかな酸味の風の後には香ばしくまろやかな風味がじわじわと広がります。

余韻には、アジアンハーブのような青々しいフレーバーがほんのり漂い爽快感を最後まで楽しませてくれます。

楽しい気持ちにさせてくれるコーヒーです。

ちょうど4年前の2015年の10月にご紹介したタイのコーヒーもやはり酸味とフレーバーが大変ユニークでした。とても珍しいので、ぜひこの機に飲んでみてくださいね。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★★

コク ★★☆

焙煎 ★ ☆ ☆

メキシコトラディション~ハニーオアハカ

9月のコーヒーはメキシコから「ハニーオアハカペタテドライ」です。

メキシココーヒーは久しぶりの登場でとても楽しみです。

メキシコ、オアハカ州、ウネカフェ組合に属す小規模珈琲農家によって作られました。

標高は1200mで、栽培品種は伝統品種であるティピカがメインでブルボンも一部あります。

こちらの特徴としては、コーヒーチェリーの精製において、ウォッシュド(水洗方式)にて行うのですが、その後の乾燥において、ペタテと呼ばれるヤシの繊維を編んで作られる敷物の上にチェリーを並べて行います。

この伝統的工程が、はちみつの風味を生む、と言われ「ハニーオアハカ ペタテドライ」と名付けられました。

 ペタテの上で乾燥

組合の農家のみなさま

前回のメキシココーヒー記事

雨に濡れた木々、横たわる炭の香り

苦味が感じられますが、口当たりはハニーの名の通りとてもまろやかで、柔らかい。

 

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★☆☆

コク ★☆☆

焙煎 ★★☆

 

 

ルワンダショリー コーヒーが躍る場所

8月のコーヒーはルワンダから「ルワンダショリー」です。

ルワンダの中央部分のマアンガのショリー地区にあるショリー組合は、地域の女性の団結によって創設されて、現在の女性メンバーを中心に運営されている組合です。

完熟した高品質なコーヒーチェリーのみを水洗式の精選にて、丁寧に作り上げられたコーヒーです。

コーヒー農園

前回のルワンダコーヒー記事

炭火焙煎の豆のスモーキーな香ばしさが期待を膨らませてくれます。

口に含むと、舌の上に酸味が乗りますが、

甘みとミックスされて、うまみの楽しいダンスにかわる

そして、柔らかい苦みの奥に深いコクがじんわり広がる

おいしい

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★★

焙煎 ★★☆

 

 

バリ島のシャンパーニュ

7月のコーヒーはインドネシアバリから「バリ神山ナチュラル」です。

完熟しかティピカチェリーをハンドピックで収穫。

その日のうちに山のふもとまで運び、天日乾燥により精選しました。

前回のバリコーヒー記事

飲んだ瞬間から酸味が舌に絡みつきますが、

まろやかな風味に包まれて、刺激はありません。

まるで口の中で弾け続けるシャンパンの泡のような

楽しいコーヒーです。

 

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

焙煎 ★☆☆

 

パプアニューギニアコーヒー ティピカ100%の深み

6月のコーヒーはパプアニューギニアから「タイガドクラシック」です。

日本からはちょうど真南に位置する、オーストラリアの少し上にある島、パプアニューギニア。

標高1650m、アイユラ・ノリコリ地区で生産されたティピカ種100%の豆です。

収穫は手摘みでおこない、水洗式で豆の精製を行います。コーヒーチェリーの果肉除去からパーチメントの乾燥までを行う精製工程で、水を使って果肉除去を行い(ウェットミル)、その後の天日乾燥させたパーチメントを脱穀して等級分け(ドライミル)することで丁寧に精選しています。

香ばしい豆の香りが味わいを演出してくれます。

ファーストインプレッションは強い苦味なのですが、

それはすぐに深みのある凝縮されたコクに変わります。

決して舌にざらつくことはなく、深みのある香りとコクがたゆたいます。

周りを寄せ付けない雰囲気だけど、近づくとその深みと味わいに虜にしてしまう、そんな大人のコーヒーです。

 

過去のパプアニューギニアコーヒー記事

 

農園主ニモさん

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★☆☆

コク ★★★

焙煎 ★★☆

 

ベトナムコーヒーダムダ 変化と成長の国

5月のコーヒーはベトナム「ダムダ」です。筆者もベトナムに幾度か出張で訪れたことがありますので、その時の写真も一緒に添えさせて頂きます。

ベトナムという国は実はコーヒーを飲む人は大変多く、

街にはコーヒーショップが溢れます。若者向けのおしゃれなコーヒースタンドも

また、

ベトナム式コーヒーというとても濃く苦味のあるドゥミタスコーヒーのようなスタイルに、砂糖をたっぷり入れてのむ伝統コーヒーも有名です。

成長盛んな東南アジアの中でも世界の工場として(メードインベトナムのタグは服やスニーカーなどでよく見ますよね)、そして近年ではIT産業として、大変脚光を浴びている国です。

ダムダとは、ベトナム語で、コーヒーがおいしい時、香りが良い時の感嘆詞、日本語だと、「うまい」でしょうか。

ベトナムのコーヒーはロブスタ種が大半ですが、

ダムダはスマトラ式で精選されたアラビカコーヒーとなります。

 

最初の印象は舌にざらざらした苦味と酸味

なんだかアンバランスだけど、飲みこんだ余韻には、

しっかりとうまみとコクが残る。

決して洗練されていないけど、秘めた力強さや

成長エネルギーに溢れるベトナムという国を思い浮かべてしまいます。

写真はベトナムで有名なバインミーです。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

焙煎 ★☆☆