ボリビア コパカバーナ農園〜2020年12月限定コーヒー

2020年12月の限定コーヒーはボリビアからです。

ボリビアは南米の内陸国で、南米大陸を南北に貫いているアンデス山脈が国の西部を走っています。

本農園は、ペルーとの国境にあるチチカカ湖は標高3800mという高地にあります。

国の東側はアマゾンの熱帯地域で、このアマゾンとアンデス地域の中間の地域は温暖な気候で果樹栽培にも適しています。チチカカ湖よりもたらされる適度な湿度と穏やかな気温が、コーヒー栽培に適しています。

ラパス県ユンガス地方にある「コパカバーナ農園」は、チチカカ湖畔の街コパカバーナから北東に300キロにあります。

コパカバーナとは先住民族アイマラ族のことばで「宝石の展望台、湖の眺め」を意味する“コタ・カウアーナ”に由来しています。この農園からは湖を一望することはできませんが、眺めの良いセロ・コンドリーリ(コンドリーリの丘)で栽培されています。

前回のボリビアコーヒーはこちら

豆の香ばしさの中に、しっかりと黒糖の甘味が感じられ、深いコクもあります。
苦味はほとんどなく、すっきりと飲みやすいですが、味わいは深く感じられるコーヒーです。

コーヒーはティピカ品種です。

中南米のコーヒーの起源でもあります。古くからある原種であり、元々はイエメンから渡ってきたと言われています。

様々な交配種が種類になる中でティピカは単一種ゆえに病気などには弱く、栽培は難しいため、ティピカのコーヒー自体が貴重となっています。

ティピカは、独特の甘さを感じていただけたら嬉しいです。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

焙煎 ★★☆  

ルワンダ〜2020年11月限定コーヒー

2020年11月の限定コーヒーはルワンダからです。

アフリカの中央部、タンザニアの西にルワンダ共和国はあります。

面積は四国程度の小さい国ですが、高い標高と、高品質なコーヒー 栽培に適した条件を備えている自然豊かな国です。 アフリカ大陸の中でも、近年注目されている生産国の一つです。

前回のルワンダコーヒーはこちら

香りたつスモーキーさの中に梅のような爽やかなフレーバーがあらわれ、しっかりとしたコクもあります。

舌を酸味が通っていきますが、余韻は残らず後味もきれいです。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★★☆

香り 梅 炭 

パナマ共和国 パナマシスカ農園〜2020年10月限定コーヒー

2020年10月の限定コーヒーはパナマ共和国から「パナマ シスカ農園」です。

パナマコーヒー農家の中でも歴史のある農園の一つでもあるハートマンファミリーが経営するシスカ農園で、1940年にコーヒー農園が創業されました。

コーヒー栽培に関して、様々な研究を行うことでも有名で、ゲイシャ、ティピカ、カツーラ、カツアイといった品種栽培に取組み、精選方法に関しても、ウォッシュド、ハニー、ナチュラルなど一律ではない手法を取り入れながら、品質向上を目指し続けている農園です。

今回のコーヒーは、スクリーンサイズ15という大きめの豆のみで、ナチュラル(天日乾燥)方式で作られました。

前回のパナマコーヒーはこちら

苦味はほとんどなく、ふくよかな口当たり

風味の軽やかさに、少し物足りなさも感じなくもないですが、

酸味と甘味がテンポよくミックスされ、切れの良い後味には、カカオとナッツのフレーバーが爽やかに残ります。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★☆☆

焙煎 ★★☆

香り ナッツ 青草 カカオ 鉄 

パプアニューギニア トロピカルマウンテン〜2020年9月限定コーヒーご案内

2020年9月の限定コーヒーはパプアニューギニアから「トロピカルマウンテン」です。

パプアニューギニアは、熱帯気候でモンスーンの影響化にあり、年中高温多湿の国です。

パプアニューギニアにコーヒーが導入されたのは1930年代。
ジャマイカ・ケニア・タンザニア・などの原産地からもたらされ、
本格的な栽培は1950年代にブルーマウンテンの種子が持ち込まれた頃から始まりました。

小農家が80%を占めていますが、その栽培環境は世界の中でもトップクラスと言われています。

トロピカルマウンテンは、政府機関であるCoffee Industry Corporation が日本市場向けの特別ブレンドとして作り上げたブランドです。

前回のトロピカルマウンテン記事はこちら

その香りは濡れた木々がしっとりと

口に含むと豆を砕いた香ばしさがわっと広がります。

舌の上に乗る青い酸味に甘味が巻きつき、

喉の奥には、コクが余韻となって伸びていく

最後、鼻に青草のハーブが抜けていきます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★☆☆

香り 濡れ木 ハーブ 

インドネシア ジャンボガヨ〜2020年8月限定コーヒーご案内

2020年8月の限定コーヒーはインドネシアから「ジャンボガヨ」です。

インドネシア 標高1400mのアチェ高地のクテ・パナン、ウィー・ぺサムエリアの農園から、大粒サイズの豆を厳選したコーヒー豆です。

前回のインドネシアコーヒー

甘い香りに癒されます。

一口入れた瞬間、豆の香ばしさが口の中に広がります。

その次にあらわれる苦味に覆いかぶさるように豊かなコク、

まろやかな甘みが伸びやかに広がります。

最後にはチョコレートのような甘い余韻が残ります。

一方、豆の青みがほんのり渋みとなって感じられます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★☆

焙煎 ★★☆

香り 柑橘 チョコレート 青草 

エクアドル グラン・カフェタル農園ティピカ〜2020年7月限定コーヒーご案内

2020年7月の限定コーヒーはケニアから「エクアドル グランカフタル農園 ティピカ」です。

エクアドルは南米コロンビアとペルーに挟まれた赤道直下の国です。

熱帯雨林からアンデス山脈、沿岸部まで多様な姿を持っています。

南部ロハのアラモール地区、ピセンテ・カルデナス氏の農園で作られたティピカ100%のコーヒーです。

前回のエクアドルコーヒー

爽やかな酸味が心地よいです。

苦味はほとんどなく、後味にもすっきりとした余韻が広がります。

じめじめした梅雨の季節に爽快を感じさせてくれます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★☆☆

2020年6月限定コーヒーご案内 P.O.K. プライドオブケニア

今月のコーヒーは、大変希少かつ、その香り、味も最高レベルのものです。わたし自身、本当に楽しみにしていた逸品です。

その名に恥じぬ堂々たる品格のコーヒーです。期間、数量限定のため売り切れ次第終了となりますが、ぜひ、ご賞味してみてください。

緊急事態宣言が明けて、日常も少しずつ平静に戻りつつある中、いかがお過ごしでしょうか。

この2、3ヶ月は誰にとってもあまりに変化と不安の大きい日々であったと思います。身も心も疲れていることではないでしょうか。

大きな困難に真正面から立ち向かうのもありますが、人知を超える危機ですから、あえて止まって見て、普段気の至らない大きなことや、長い目で見て大事なことなどに、思いを馳せて見るのも良いかもしれませんね。

当店では、安全に配慮しながら、皆さまのひと時の安らぎをお運びしております。

さて、2020年6月の限定コーヒーはケニアから「プライド オブ ケニア」です。

完熟豆を手摘みして、その後、厳しい基準の実だけを選別します。清冽な川の流水で果肉を取り除き、その後、アフリカンベッドでじっくりと天日乾燥させました。

前回のケニアコーヒーの記事

蜂蜜の甘い香りがカップから立ち上がる湯気とともに届いてきます。

まるでかじったような豆の深い香ばしさ

口の中ではじけるコク

柔らかな酸味が風味をひきしめます。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★★

焙煎 ★★☆

香り はちみつ

2020年5月限定コーヒーご案内 コンゴのブルーマウンテン

いかがお過ごしでしょうか。前回の投稿から一ヶ月が経ちましたが、まだまだ国内は落ち着かぬ状況である一方で、世界の状況を見てみると少しずつ改善の一途にあるようです。

閉じこもりによる安全を追求する一方で、生活する人々の暮らしの中のストレスや経済ストップによる生活不安は、じわりと確実に広がっているように思えます。

当店も、大きな影響を受けておりますが、このような時代における珈琲店の役割を考えますと、やはり、変わらぬ一杯の美味しいコーヒーでお客様へ寛ぎをひと時をご提供する、これに尽きると感じております。

当店では、営業時間を変更し、また、お客様の安全へ最大限配慮した上で営業を続けております。世の中の状況、そして皆様の暮らしの不安が少しでも早く落ち着くことを願っております。

特別にコーヒーチケットもご用意しましたので是非ご利用下さい。

さて、2020年5月の限定コーヒーはコンゴから「ルゲンド サンドライ」です。

コンゴはアフリカ大陸中央部のコンゴ川流域に広がる、世界でも11番目の広大な面積を誇り、東部は高山、西部は台地、北部は草原、南部は高地と、雄大な自然を擁する国です。

コーヒー栽培は、東部の北キブ州、および、南部の南キブ州で行われております。

今回のコーヒーは、南キブ州のカバレで栽培されました。なお、品種は「ブルーマウンテン」と言います。

ブルーマウンテン、と言えば皆様もジャマイカの高級コーヒー豆としてご存知かと思いますが、「ブルーマウンテン」ブランドは、ジャマイカのブルーマウンテン山脈の一定の高地で栽培された豆にのみ与えられた産地ですが、こちらのコーヒーは、ブルーマウンテンという品種となります。

一方で、このブルーマウンテン種の歴史を紐解くと、元々は、ジャマイカからケニアに渡り、そこからコンゴへもたらされた品種であり、もしかするとジャマイカのブルーマウンテンとの繋がりがあるのかもしれませんね。

前回のコンゴコーヒー

まず苦味が現れ、続いて酸味が舌を走ると、ふっと消えて、余韻はすっきりとして、コク深い味わいが広がります。

豆を砕いた香ばしい香りが飲むたびに重なるのを楽しむことができます。

—-風味バランス—-

苦味 ★★☆

酸味 ★★☆

コク ★★★

焙煎 ★★☆

香り カカオ アーモンド

アイーダの挑戦 コーヒーのゴミが宝になる時 ~エルサルバドルカスカラティー

皆様、いかがお過ごしでしょうか。不安な世の中のなか、心落ち着かぬ日々かと思いますが、少しでも穏やかに健やかにお過ごし頂けることを心より願っております。

西原珈琲各店も、皆様のひと時の寛ぎのため、精一杯営業し、一杯のコーヒーを通じた安らぎを提供し続けて参りたいと思います。特別にコーヒーチケットもご用意しましたので是非ご利用下さい。

さて、2020年4月の限定コーヒーはエルサルバドルから「ブエノスアイレス農園カスカラティー」です。

今回はこれまで初めてお届けする特別な製法で作られた珍しく、そしてとても美味しいコーヒーです。

皆様は「カスカラティー」というお茶を聞かれたことはありますか?

コーヒーは何で出来ているのか?と聞かれたら、誰もが

コーヒー豆から

と答えると思います。その通り、コーヒーはコーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの木になる実の中の豆(種子)を精選し、それを焙煎し、液体に抽出したものです。

では、コーヒーチェリーの果肉や皮の部分はどうなるのでしょうか?

通常はそのまま廃棄されてしまいます。

でも、果肉をそのまま捨ててしまうのはもったいない。何かに活用はできないのだろうか。

そんなことを思ったことがあります。

エルサルバドルのサンタ・アナ火山を囲む丘陵地にある家族農場でコーヒー栽培をしていた アイーダ・バトルという女性農園主も同じ課題を抱いていました。

アイーダの農園でも、豆を精選した後に残った皮や果肉部分は、ゴミとして廃棄するか、肥料にしたりしていました。

ある日、アイーダが、コーヒー豆を精選後、天日にさらしたままになっていた廃棄部分の近くを歩いたところ、

そこから、強いハイビスカスの香りに包まれました。アイーダは、その瞬間、時が止まったようにその香りに魅了されました。

そして、全くあり得ないアイデアが脳裏に浮かびました。

すると、目の前に広がる惨めな廃棄ゴミの果肉の山が、急に宝のように輝き始めたのです。

アイーダは果肉の皮を拾うと、すぐに自宅に戻り、それをお湯に浸して、味見をしてみました。そして、アイーダは自分のありえないアイデアが、妄想ではなく、確信だと気づきました。

気付くと常連の取引先仲間に、電話を掛け、そのアイデアを熱く語りました。しかし、相手の反応は、ひとしきり笑ってから、

アイーダ、それは素晴らしいアイデアだね、面白いよ、と言った後、何事もなかったように、他の世間話をし始めるのです。全く、そのアイデアが馬鹿げていると思ったのか、アイーダの新しいジョークと思ったようでした。

アイーダの挑戦はその時始まったのです。

それから、10年が経ちました。アイーダのアイデアは今、

カスカラティーと名付けられ、

大手のコーヒーショップでもメニューとして並び、その原料価格も、なんとコーヒー豆の5倍もの値段が付くようになりました。とはいえ、まだまだ市場流通もごく一部でしかありません。

しかし、カスカラティーのサクセスストーリーは、心躍るものがあります。

廃棄するゴミが、なくなり、それが宝となったこと。誰もが価値を見出さない、笑われるような使い道を、想像し、それが人々に伝わるまであきらめることなく、挑戦しつづけるアイーダの精神。

さて、アイーダの物語はこのくらいにして、今月のコーヒーの紹介をさせて頂きます。

アイーダの農園と同じ、エルサルバドルのサンタ・アナ火山丘陵地にある「ブエノスアイレス農園」のコーヒーです。

通常、水洗いで、完熟したチェリーを取り除き、その後、乾燥させながら豆を発酵させていきます。この時に、カスカラティーを投入し、豆に風味を戻していくのです。

カスカラティーをテーブルで味わうだけでなく、コーヒーの精選処理でも、果肉の甘味を豆に戻していく手法としても活用されている事例ですね。

フローラルの甘いフレーバーにスモークが加わり心をリラックスさせてくれるアロマが拡がります。

口に含んだ瞬間、コーヒー豆をそのまま噛み砕いたような、香ばしさが口の中で一気に広がります。

飲み口優しく柔らかく、酸味や苦味も穏やかな一方、コクはとても深く、長居余韻を楽しめます。

厳しい時代にこそ、このようなアイーダの諦めない精神や、今まで想像しなかった価値の発見が生まれるのかもしれません。

本当に貴重なコーヒーです。是非、当店でお楽しみ下さい。

—-風味バランス—-

苦味 ★☆☆

酸味 ★☆☆

コク ★★★

焙煎 ★★☆

香り フローラル スモーク

ザンビアコーヒー 蜂蜜→苦み→酸味

2020年3月の限定コーヒーはザンビアから「イエローハニー」です。

肥沃な火山灰土壌に恵まれたザンビア北部の農園から届きました。

コーヒーチェリーはハンドピックされ、丁寧に選別されます。ミューシレージ残して乾燥させる、ハニープロセスでコーヒー豆になります。

コーヒーチェリーの精選処理ではウォッシュドというチェリーを水洗いして、果肉を除去した状態で乾燥させる方式が主流となっていますが、

この際に、ミューシレージと呼ばれる豆を覆う粘液質部分だけ、残した上で、乾燥させる方式をハニープロセス(パルプドナチュラル)という方法があります。

ハニーと呼ばれるのは、粘液質の果実の甘みが、豆に浸透することで蜂蜜の風味が出るためと言われています。

粘液質をどのくらい残すかで豆の見た目が変わり、完全に残すと、黒く、半分くらいだと赤く、薄いと黄色くなるため、ブラックハニー、レッドハニー、イエローハニーと分かれます。

ザンビアイエローハニー、味はどうでしょう。

コスタリカのハニーコーヒー

前回のザンビアコーヒー

濡れた木、スモーキーさの中に、甘い香りが漂います。

口に含むと強めの苦味が広がりますが、それはまろやかさもあり、心地よいです。

ビターの後にはコクがゆったりと長く続いて余韻となります。

おもしろいのが、カップの途中から苦味に舌が慣れてくると、

今度は果実味のある酸味が出てくるのです。雑味のないピュアな酸味です。

一杯で二つの顔を見せてくれる楽しいコーヒーです。

—-風味バランス—-

苦味 ★★★

酸味 ★★☆

コク ★★☆

焙煎 ★★☆

香り スモーク、濡れた木、シトラス